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                         平成18年4月1

                        (2006年)

動悸について

奈良正人

感動体験で胸がときめくという状態はロマンチックなことですが、何もしていないのに胸が「ドキドキする」という訴えで来院される例があります。一般的に動悸と表現されていますが、そのときの状態を大きく分けると、心臓が@強く打っている時。A早く打っている時(頻拍)。Bリズムが狂っている時(不整脈)などに感じているようです。

強く打っている時、血圧が上昇している時もありますので、高血圧の例では作業中であれば一休みしたり、過労を避けたりし、続くときは血圧をチェックした方がよいと思います。

早く打って動悸を感じる時は、身体を動かして早く打つのは当たり前のことで病的なものではありませんが、安静にしても感じる時は病的なものがあります。頻拍の原因には貧血、甲状腺機能亢進症などの例もありますが、神経質な人では緊張すると脈が早くなる場合があり、病的という程なものでないかもしれません。

上室性発作性頻拍性の例では、心拍数が150以上の例もあり、動悸を強く感じることがあります。心臓ということで不安を感じることも多いと思いますが、意識があって頻拍の時、そのまま心臓が止まることはないので、慌てず深呼吸をし、それでも治らない時は深く息を吸って呼吸を止め、息ごらえをすると治ることがあります。それでも治らない時は医療機関を受診しましょう。

リズムが乱れている場合には、期外収縮というのもで何回かに1回休んだり、ずれたりするタイプと、1回ごとリズムがバラバラの心房細動があります。期外収縮では上室性期外収縮と心室性期外収縮があります。程度によって治療が必要なものもありますので、負荷心電図検査やホルター心電図等でその危険度を調べ、治療の必要性をチュックすることが勧められます。しかし動悸のない時には心電図検査をしても何が起きているか判断出来ないことも多く、動悸をしている最中の心電図をとるように努力すべきです。医療機関を訪れるときはどのようなときに動悸が起こるのか観察し、相談しましょう。携帯できる心電図で発作時記録するというのも可能になっています。

ものが心臓だけに早めに精査することをお勧めします。

 

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