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                       平成18年5月1日

                      (2006年)

 

ジェネリック医薬品について

                  奈 良 正 人

最近テレビや新聞等でジェネリック医薬品のコマーシャルを見ることが多くなりました。

医療用医薬品には「先発品」(最初に開発された医薬品)と「ジェネリック医薬品」(後発品)の二種類があります。

先発品の特許満了後は、同じ成分・効能を持った医薬品を作ることができるようになります。これがジェネリック医薬品と言われるものです。先発品に比べ、研究開発費が極端に少なく、先発品の薬価に比べ安く、患者さんの薬剤料の自己負担が少なくなります。

ジェネリック医薬品はゾロ品とも呼ばれ、一流メーカーでないため、製品の安定供給の不安があります。また全ての製品に後発品がある訳でもなく、調剤薬局全てに在庫しているわけでも無いことを理解していただきたいと思います。また先発品と薬物成分は同じですが、製品そのものも生体内での効き目や持続時間なども全く同じでなかったという研究結果が報告されている例もあります。

当院でも一部ジェネリック医薬品を処方しておりますが、薬局で在庫しているのを確認して出すようにしております。他の市町村の薬局に出したとき、無い場合もありますので、かかりつけ薬局を持ち、複数の医療機関からの処方せんも一ヶ所の薬局に出すようにした方がよいと思います。

ジェネリック医薬品が多くなることは経済的に考えると良いのですが、メーカーが膨大な研究費のかかる新薬開発をしなくなり、売れ行きの良い薬の後発品を作ることのみに力を注ぐと医学の発展にはマイナスになるという心配もあります。製薬会社の中にはジェネリック医薬品の製造、販売しかしないところもあり、製品をみてもどこのメーカーで何の薬か判断に困るのもゼロではありません。分かったとしても、その薬の説明書を手に入れるのに難儀しているのも事実です。

製薬会社の良心に期待しながら、ジェネリック医薬品の使用も考えていきたいと思います。使用希望の節は遠慮せず、窓口またはドクターにお申し出下さい。

 

てんじゅ裏