奈良医院だより №２４９
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秋田県北秋田市住吉町７－１
奈 良 医 院
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平成１９年９月１日
（２００７年）
一周忌とＤＮＡ
奈良 正人
奈良医院 二代目 奈良康一前院長が亡くなり一年が過ぎました。先月お盆前、菩提寺の鹿角市花輪長年寺において一周忌の法要を執り行いました。月日の早さを実感すると共に、色々な機会に父の偉大さを再認識させられている今日この頃です。
毎朝、洗面所で鏡を見る度に自分が益々父に似てきたと思わされています。これはＤＮＡによるものですが、祖先からの情報が遺伝子によって引き継がれた結果の出来事です。よく秋田県では〔あたる巻〕とか〔癌の巻〕などと言う事がありますが、脳卒中や癌が遺伝する訳ではありませんが、なり易い体質が遺伝しているのは確かな事です。親が高血圧である場合、その子供は生まれつき血圧が高いという事は無いのですが、ある年齢になってくると、血圧が高くなってくる事が多いように見受けられます。日本人は世界一長生きしていますが、それでも死亡率は１００％です。天寿を全うするまでいかに生きるかと考えたとき、体質を無視することはできません。
血のつながりがある人に脳卒中が多ければ、血圧、肥満、運動不足に注意し、糖尿病や高脂血症の合併があれば、無い場合より厳しくコントロールする必要があります。不整脈がある場合は脳梗塞など血管の詰まる病気になり易いので、脱水に注意し、タバコは避け、抗凝固療法が必要な例もありますので、医療のルートに乗り、積極的に予防線をはるべきです。検診を受けた時、その情報はあなたの財産です。大いに活用しましょう。癌が多い家系では、タバコは避け、バランスの良い食事を心掛け、焼け焦げや熱すぎる食品を摂らないようにし、清潔を保つようにしましょう。またある程度の年齢になったら、年一回は癌検診を受けるようにしましょう。
天寿を全うできるためには、自分の体質を知る事が大切です。自分の体質を見直すために両親、祖父母、兄弟等の病気や死因を思い出して下さい。ＤＮＡがすべて！体質は血縁者に似るのが当然です。体質に合わせた自分なりの良い生活習慣を身に付けましょう。それらをアドバイスするのが医師の仕事と思っています。貴方の良い人生を応援します。