奈良医院だより  256

                                                  

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奈 良 医 院

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平成20年4月1日

(2008年)

 

健診と人間ドック

         奈良 正人

今年4月より、40歳から74歳の健康保険加入者を対象として新しい健康診断(特定健康診査)が開始されます。健診では問診・診察、身体計測、血圧測定、脂質検査、肝機能検査、血糖検査、尿検査が実施されます。今回の健診では、身体測定に腹囲が追加され、脂質検査では生活習慣病のひとつである脂質異常症(高脂血症)を調べるための検査項目にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が新たに追加され、総コレステロールが必須項目から外れました。

内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖・脂質異常・高血圧などの危険因子を合わせもつ状態をメタボリックシンドロームと呼びます。これらの危険因子が重複すると、命にかかわる狭心症や心筋梗塞、脳梗塞を発症する確率が加速度的に増加します。これらの危険因子を早期に発見し、注意や早期治療をすることで、致死的な状態になることを予防するのが健診の目的です。人間ドックも自覚症状がないうちに病気の早期発見を目的として利用するべきものと思っていますが、中には自覚症状があるのに近々健診や人間ドックを受ける予定があるからと待っている人がいます。自覚症状がある場合には医療機関を受診し、必要な検査を受けましょう。同じ検査でも健診などで行うスクリーニング的な検査と、医療機関で行う診断の為の検査では内容的にもレベルも違うものです。

健診や人間ドックで異常を指摘された時は、確実な診断や方向付けが出来るまで指示に従い診察や精密検査を受けるべきです。中には健診や人間ドックの前だけアルコールや食事を減らしたりして、普段と違う状態で検査を受ける人がいます。その結果良かったとしても、またいつもと同じ生活に戻るのであれば意味がないと思います。検査の結果異常が無いということは、病気が無いということではなく、行った検査の範囲内で異常が無いということです。一回毎の健診結果にとらわれず、前回までの結果と比較して判断しましょう。個人の体質は祖先に似ているものです。自分の血縁の方々がどのような病気を持っていたかを気にしてみましょう。日常生活でどのようなことに注意すべきなのかのヒントに検査結果や家族歴を生かしましょう。

 

てんじゅ裏