奈良医院だより  bQ61

                                          

            018−3322

 秋田県北秋田市住吉町7−1

 奈 良 医 院   

TEL (0186)62−1146

FAX (0186)62−1194

http://www.digital-k.com/nara.htm

平成20年9月1日

                              (2008年)

検診(健診)結果を生かすために

                        奈良 正人

 

最近40歳代の方が自宅で亡くなり、死体検案に呼ばれました。脳卒中で死亡していた症例でしたが、母親も祖母も脳卒中で亡くなっている家族でした。本人が血圧が高いのを知らずにいて不幸な結果を招いたとすれば気の毒としか言いようがありませんが、高血圧を指摘されていたのにも関わらず、医療のルートに乗っていなかったのは残念で仕方ありません。

 今年も職場検診、特定健診が行われています。検診(健診)を受けることは大事なことですが、その結果を生かすことがもっと大切なことです。要精査、要医療という結果報告がきたときは無視せず必ず医療機関を訪れるべきです。特に何年間も続けて受けている場合は、前のデータも参考になりますので一緒に持参しましょう。更に自分の体質は祖先に似るものですから、血の繋がりのある人に癌、脳卒中、糖尿病、心臓病などがある場合は家族歴の無い人よりも、より注意が必要です。特に祖先に脳卒中や心筋梗塞などの家族歴がある場合は、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙などが重なると脳卒中や心筋梗塞の発症確率が大幅に増えると言われています。近年生活習慣病の治療の基本は禁煙と言われていますが、高血圧でタバコを吸い続けていると脳卒中のリスクが更に3.8倍。糖尿病でタバコを吸い続けていると心筋梗塞による死亡のリスクが更に2.6倍。高脂血症でタバコを吸い続けていると冠動脈疾患による死亡のリスクが更に1.8倍になると言われています。癌については、すべての癌で喫煙はハイリスクでその影響は大きいと言われています。

 自分の体質をよく知り、自覚症状があれば医療機関を受診し、自覚症状が無ければ検診(健診)を受け、異常が指摘されなければ1年後、異常があれば最後までフォローアップしましょう。ちなみに検診とは胃、大腸、子宮、乳癌など一定の臓器に対する検査で、健診は全身的な検査、いわゆる健康診断のことです。

 病気の早期発見・早期治療に心掛けましょう。

 

てんじゅ裏