奈良医院だより №２６３
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秋田県北秋田市住吉町７－１
奈 良 医 院
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平成２０年１１月１日
（２００８年）
高齢でも健康であるために
奈 良 正 人
高齢でも現役で活躍中の舞台女優さんに、元気で頑張れるために気にかけている事は何ですか？とのインタビューがあった。その女優さんは、風邪をひかない事、転ばない事、医者の言うことを聞くことの三つを心がけていると答えていた。確かに風邪は万病の元と言われ、全身の抵抗力が落ちたときに罹りやすいし、こじらせて肺炎をおこすと命取りになることもあります。高齢者の三大死亡原因の癌、脳血管障害、心臓病に次ぐ死亡原因が肺炎です。風邪をひかないためには、鼻や咽喉をはじめ気道の粘膜を乾燥させないことが大切です。暖房を入れるようになったら、湿度を保つよう心がけましょう。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチン接種による予防も効果的で検討する価値があると思います。インフルエンザワクチン接種例でもインフルエンザに罹ることがありますが、軽くすむと言われています。肺炎球菌ワクチンについては、肺炎の約６割位の原因になる肺炎球菌の全種類に効くといわれ、海外では高齢者のほとんどが５～６年毎に受け、その死亡率や医療費が下がっていると報告されております。幸いなことに北秋田市では、旧鷹巣町から継続して、肺炎球菌ワクチンの公費補助を行っております。今年度も平成２１年１月３１日までの期間、６５歳以上の方は補助が受けられます。
脳卒中で寝たきりになることは良く知られていますが、骨折して寝たきりになる例も決して少なくありません。転ばないことが骨折予防の鍵です。少しの距離でもしっかり靴を履いて、注意して外出しましょう。足腰の弱い人は、杖や手すり、人の手を頼りましょう。
高齢になると一つ位病気があるのが当たり前、主治医に色々質問し、教えてもらいながら、病気の早期発見につとめ、早期から治療し病気とうまく長く付き合いましょう。死亡率１００％の人間にとって「一病息災」が天寿まっとうのキーワードと言えると思います。