奈良医院だより  bQ81

                                        

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平成22年5月1日 

(2010年)  

 

心血管障害予防のために

奈良 正人

 血管の動脈硬化が進むにつれ血管が破れたり詰まったりし易くなります。脳血管障害として脳出血、脳梗塞やくも膜下出血があることは良く知られています。脳の血管と同じように心臓の血管の動脈硬化が進むと狭心症や心筋梗塞になります。心筋梗塞は心臓の表面を走り、心筋へ酸素や栄養を供給している冠状動脈が詰まる病気で、突然死の原因にもなる危険な病気です。心臓病での死亡は多くの先進国で死因の第1位であり、わが国でも死因の第2位。第1位がガンですから、単一の臓器としては心臓病がトップで、2006年には約17万人以上の人が命を落としています。食生活の欧米化に伴い、近年特に増加している疾患の一つです。心筋梗塞の危険因子として高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、過労、ストレス、運動不足等があります。さらに遺伝、環境、栄養状態、生活習慣等様々な要因が複雑に絡み合って発症すると言われています。

 心臓病の予防にはまず暴飲暴食をしないこと、十分な睡眠をとること、高脂血症にならないようにすることと、タバコを吸わないなどがキーポイントになります。人間の体は寝ている時リラックスする神経(副交感神経)が優位に働き、起きている時は緊張する神経(交感神経)が働いています。睡眠不足が続くと体にたまったストレスが解消できず、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまいます。この状態が続くと発症の引き金になることがあります。心臓病にタバコは禁物です。喫煙者の突然死のリスクは2倍以上と言われ、一度心筋梗塞を起こした患者さんには喫煙を継続している限り、命の保証ができないと説明しているほどです。タバコを吸っている人は今すぐ禁煙するべきです。高血圧では降圧剤を使用し、高脂血症では高脂血症治療薬でコントロールできる時代になりました。人間ドックや健康診断等で心電図異常や危険因子と言われる状態を指摘された時は早めに精密検査を受け、必要に応じて治療を開始しましょう。寿命をまっとうするまで脳血管障害や心血管障害を起こさないためにも・・・。

てんじゅ裏