奈良医院だより  bQ8

                                        

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   奈 良 医 院

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平成22年8月1日

(2010年)

 

熱中症について

奈 良 正 人

 暑い日が続き、熱中症で病院に搬送されたとか亡くなったというニュースが連日のように耳に入ってきます。暑くなると体温調節のため汗をかき体温上昇を抑えているのですが、水分摂取が追いつかないと脱水状態になり汗もかかなくなります。そのため身体に熱がこもり、高い熱が出たり体調を崩したりします。改善出来ないと死亡することもあります。特に子供や高齢者は体温調節能力が低いため、危険率が高くなります。汗をかいた時は水分だけの補給では不十分で、塩分などのミネラルも補う必要があります。口渇感を自覚した時は脱水状態のサインと受け止め早めに対処することです。脱水気味になる前の対策こそ重要で、暑い時は運動や作業をしないこと。プールでも汗がかいているのが自覚しにくいため熱中症は発生しています。日常生活でも、入浴時や汗をかきやすい環境の時は事前に水分を充分摂っておきましょう。不整脈、高血圧、糖尿病、脂質異常症等血管が詰まる病気(脳梗塞・心筋梗塞)の危険因子を持っている人は、特段の注意が必要です。脱水になると血液が濃縮され血管が詰まりやすい状態に拍車がかかってしまうからです。クーラーは身体に悪いとしてその使用を控えている高齢者をよく見かけますが、体温調節機能が低下している高齢者ほど多いに利用すべきです。また子供を車の中に寝かせたまま、車を離れるということは、例え短時間であっても絶対してはなりません。日差しの強い時の車中の温度上昇は予想以上に早く高温になるのが知られています。スプレー缶や、ペットボトルが破裂してしまう例も報告されている程の車内環境になっている中に、人間だけでなくペット等も含め生き物を置いていくことなど、許されない事です。

 外出はなるべく涼しい時間帯をねらい、日傘や帽子を使用し、水分を摂りながら安全第一に考えましょう。顔が赤くなり、ホテリ感があり、熱が出て頭がもうろうとしてきた時は急いで医療機関を受診しましょう。暑さを甘く見ないで快適にこの夏を乗り切るためにも・・・。

てんじゅ裏