奈良医院だより №３０４
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秋田県北秋田市住吉町７－１
奈 良 医 院
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平成２４年４月１日
（２０１２年）
介護認定委員会 奈 良 正 人
外来での仕事以外に色々な仕事がありますが、介護認定委員会もその一つです。介護保険制度によって、介護サービスが受けられるようになりました。介護度によりその利用範囲が異なりますが、介護度を決めるのが介護認定委員会です。
介護認定委員会では、介護申請があった本人に対し訪問調査員が調べた資料を基にコンピューターソフトにより判定された介護度が適切であるかを判断します。主治医の意見書や訪問調査員の特記事項を参考に判断しますが、コンピューターソフトでの判定が適切でないときは、介護認定委員会での話し合いで決定されます。そのような意味でも、訪問調査員がお伺いした時は、本人だけでなく普段一緒に生活している人が情報を出さないと正しく判断されないことがあります。同様に普段定期通院をしないまま、主治医の意見書を書いてもらう時だけ受診するというケースでは、主治医も詳しい意見書が書けなくてつらい思いをしているのも事実です。
介護認定委員には、医師・看護師・保健師・民生委員等５人で一つの合議体が結成され、毎週火曜日の夜に開催されています。北秋田市全体では鷹巣３，森吉１，阿仁１，合川１の合計６合議体があり、一つの合議体あたり月平均２回開催されます。一回の審査判定件数は３５件程度ですが、上小阿仁村からの委託分も北秋田市で引き受けています。
何か病気になり介護が必要となった時のために、介護申請をしておこうというケースがありますが、無駄なことです。介護が必要でない時に申請すると非該当と判断されるからです。介護が必要となった時に申請すると、その状態で審査されるため適正な介護度が判定され、しかも申請した日にさかのぼって運用されます。申請したときケアマネージャーと相談し、必要な介護サービスを開始してもらうようにしましょう。
私自身は、秋田県介護認定委員もしており、ここでは各市町村の介護認定委員会での判定に異議を申し入れた症例について審議されます。県の介護認定委員の開催回数はかなり少ないため、最終判定がでるまで半年位もかかることがあります。判定が出る頃には状態が変化していることが多く、現実的には不利な状況になっている例がほとんどです。もし北秋田市での介護判定に不服があった時は、県の介護認定委員会に審査をお願いするよりも、主治医と相談し介護区分変更申請を出し、市の介護認定委員会で審査判定をお願いした方が現実的で、早く介護度が決められサービス利用もし易くなります。
介護申請の時困らないように主治医のもとを定期的に受診しておきましょう。