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平成24年月1日

(2012年)

痛風と高尿酸血症      奈 良 正 人

 痛風とは

 尿酸が体内に蓄積した結果、血中濃度が上昇し高尿酸血症となり発症する疾患。痛風による炎症は足の親指の付け根の関節におこることが多く、局所の発赤、発熱、腫れを伴い激痛が起こります。発作的な症状なので痛風発作と呼ばれます。数日間歩行困難になるほどの痛みですが、1〜3週間ほどで症状は消失します。しかし、高尿酸血症が持続していると痛風発作を繰り返し、発作間隔が次第に短くなってきます。痛風発作を起こさないためには、尿酸値を6以下にコントロールすることが推奨されています。  

 高尿酸血症を指摘されたら

高尿酸血症では、痛風だけでなく尿路結石や腎機能障害も起こし易く、さらに動脈硬化の危険因子でもあり、脳血管障害や心筋梗塞も発症し易くなると警告されています。尿酸は尿中に排泄されますが、尿が酸性であると尿酸が溶けにくく尿路結石や腎障害が起こりやすくなります。尿をアルカリ性にし、尿量も増やした方が有利です。そのためにはアルカリ食品と言われる野菜、果物類と水分を多く摂ることが大切です。また、高尿酸血症の人は高血圧症、高脂血症、肥満にもなり易い傾向にあります。これらに悪影響を及ぼす塩分や動物性脂肪も控えることも必要です。

高尿酸血症治療は薬によるものが中心ですが、食事療法が更に大切です。

高尿酸血症の治療

 薬剤には尿酸の合成を阻害するものと、排泄を促進するものがあります。食事療法では、体内で尿酸を作る材料となるプリン体を多く含むレバー、海老、肉類、ビール等を減らしましょう。鶏卵、牛乳はプリン体を含まず、お薦めの食材です。またビールテイスト飲料ホッピーは、全種類アルコール度数0.8%でプリン体を含まず、痛風の人にも安心感の高いビール系飲料です。ビールの好きな人は、時々これに替えてみるのも良いと思います。プリン体ゼロのビールがある反面、ノンアルコールビールでもプリン体が入っており一般のビール同様注意が必要です。体重が増えると尿酸値が上がります。食べすぎ、飲みすぎに注意し体重を減らすよう努力しましょう。

てんじゅ裏