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平成24年月1日

(2012年)

食 事 を 大 切 に

奈 良 正 人

 高血圧、糖尿病、脂質異常症、痛風、肥満等で食事療法が必要と言われる事があります。お薬と同じく治療の一つとしての意味があるからです。身体にとって必要な栄養素は、炭水化物、蛋白質、脂肪の3大栄養素とビタミン・ミネラルなどを始め、数多くの種類の微少栄養素等です。必要量は少ないけれど、不足すると身体に影響がでるものもあります。

 現在は過食の時代で、栄養不足よりも食べすぎで問題になる方が多いのですが、中には栄養不足や栄養に偏りが無いのに、栄養補助食品やサプリメントをプラスすることで、栄養過剰やアンバランスになっている例もあります。戦時中〜戦後の食料事情が悪い時、学校で肝油を飲ませていた時代もあります。これはビタミンAD不足を補うために意義のあることでした。今日、日本において個人的に好き嫌いをし、偏りのある食生活をしている以外では、栄養不足や、栄養にアンバランスがあるとは考えられません。もしあるとすれば、体質的な問題があるか、病的な状態の時と考えられ治療が必要です。

栄養不足の例では、鉄分不足からくる鉄欠乏性貧血、亜鉛不足による味覚障害、カルシウム不足による骨粗しょう症などがあります。多すぎる例では、高尿酸〜痛風、高血糖〜糖尿病、アルコールや甘い物の過剰摂取〜高中性脂肪血症等がありますが、体質がかなり関係しています。自分の血縁に注目し家族的に高血圧、糖尿病、脂質異常症、脳卒中、肥満がある場合には、無い家族より更なる注意が必要です。身体に良いからとのうたい文句で色々な栄養補助食品やサプリメントが売られていますが、そんなに効果があるとは考えられません。例えば膝関節に良いと言われる成分の多い薬や食品を摂った時、その成分は膝関節に行くのでしょうか?答えはノーです。アミノ酸に分解され血液中に入り材料として使用されて始めて効果がでますが、普段の食事から摂取する原料と同じと考えられ、食事に気をつけていると解決できるからです。

高血圧や糖尿病、脂質異常症、不整脈、高尿酸血症等は脳卒中や心筋梗塞の危険因子ですが、肥満や運動不足も危険因子の一つです。食事・運動療法も治療法の一つで一番効果が出易く、しかも経済性にも優れている治療法です。海外の企業の中には、肥満の人は高血圧や糖尿病等と同じように肥満症という病気でリスクがあるとして、採用しないか、改善勧告していると言われています。職員の代わりはいますが、自分の人生の代わりはいないという事実を受け止め食事を今まで以上に大切に考えてほしいものです。

てんじゅ裏