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平成25年7月1日

(2013年) 

ストップ風疹 〜赤ちゃんを守れ〜

三日はしかとも言われている風疹が大流行しています。厚生労働省の発表によると、6月9日までに1万人を突破。その9割近くは大人で、男性では20代から40代、女性では20代が多く、職場で感染したケースが多いということです。昨年1年間の4倍を超え、特に6月9日までの1週間で大阪(129人)、東京(82人)、神奈川(59人)、兵庫(52人)、鹿児島(34人)と全国的に増え続けています。秋田県ではまだ多くはないのですが、今後が心配です。

 風疹は、妊婦がかかると先天性風疹症候群と呼ばれている、胎児に障害が出る事があります。国立感染症研究所の発表によると、母親が妊娠中に風疹にかかったことを原因とする先天性風疹症候群の発症が昨年10月からの約半年で10件に上がっており、この数字は風疹が大流行した2004年1年間の先天性風疹症候群発症数と同数ということで、注意を促すとともに、警戒を強めています。

一般的には妊娠中の薬剤、放射線やウイルス感染の影響は胎児の臓器が作られる臨界期と呼ばれる3ケ月末までと言われていますが、風疹では妊娠中期過ぎまで影響があることで、特に注意が必要と言われています。そのため、妊娠予定がある女性や、その夫ら同居家族が自主的に予防接種を受けることを勧めています。全国的に予防接種に公費補助を打ち出している自治体が多くなり、北秋田市や上小阿仁村でも地元医師会と契約を取り交わし、7月1日より補助事業を開始しました。

風疹ワクチンには風疹だけを予防する「単独ワクチン」と風疹と麻疹(はしか)の2つを予防する「混合ワクチン(MRワクチン)」の2種類があります。「単独」の方が「混合」より費用は安いのですが、全国的に生産量が少なく手に入りにくく、当院においても入手困難の状況が続いています。しかし有難いことに、「混合ワクチン」も公費補助対象になっていますので、現段階では心配ない状態です。しかしワクチン希望者が全国的に急増すると、ワクチン生産が追いつかず品薄になる心配もあります。接種希望者は早めの接種予約をお勧めします。過去に風疹ワクチンかMRワクチンを2回接種した方や風疹にかかったことが確実な方は抗体があり、予防接種の必要はありません。はっきりせず不安な方は遠慮なくご相談下さい。

てんじゅ裏