奈良医院だより №333

                                                                            

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奈 良 医 院

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平成26年9月1日

(2014年)

緊急事態に備えて

奈良 正人

お薬手帳

近年台風、大雨、土砂崩れなど自然災害のニュースが多くなっているように思います。先の3.11の時も被災地から避難してきた患者さんがおりました。その時役立ったのが「お薬手帳」でした。普段定期的に飲んでいる薬剤がわかることによって継続治療がスムーズに出来ました。普段から災害等で避難勧告が出た時は、定期的に服用しているお薬を持参し、さらにお薬手帳も一緒に持つことをお勧めします。災害時に限らず、旅行時等でもお薬手帳の持参を心掛けましょう

アナフィラキシーショック

時々ニュースで蜂に刺されてのショック死の報道があります。蜂に刺された時、部分的に赤くなったり、痛くなったり、腫れたりしても生命の危険はありません。虫刺されのお薬を塗って冷やしておくだけで良くなります。しかし、同じ種類の蜂に繰り返し刺されると、アナフィラキシーショックを起こすことがあります。これは刺された時、胸苦しくなったり、呼吸困難になったり、目がかすんだり、意識が遠のいてきて緊急処置が必要になる危険な状態です。至急医療機関を受診しましょう。それでも間に合わないこともあり、近年では一度ショック状態になったことがある人に、ショック時に現場で行う注射(エビペン)を本人に持たせている例もあります。過去に蜂に刺され具合が悪くなったことのある人は、虫刺されくらいと軽く考えないで、普段から緊急事態に備え医療機関と相談しておくことが大切です。

脳卒中になったとき

手足の動きが悪くなったり、口がもつれて話がしにくくなったり、激しい頭痛など脳卒中かもしれないと思ったときは、しばらく様子をみようなどと考えないで、できるだけ急いで救急指定病院を受診しましょう。脳梗塞の例では、早ければ緊急治療で血管内の血栓を溶かしてしまえる場合もあります。くも膜下出血を含む脳出血の例では、脳圧が上がって危険な状態にならないように、早期に治療を開始することに意味があります。 病気に関して早期発見、早期治療が大切なことは誰でも知っていることですが、いざ自分のこととなると早期治療が遅れたり、緊急時に適切な行動がとれなかったりすることが多いように思います。普段から緊急事態に備えて考えておきましょう。

てんじゅ裏