奈良医院だより №341

                                                                           

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奈 良 医 院

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平成27年5月1日

(2015年)

つつが虫に注意

奈良 正人

 

暖かくなり、屋外での活動が活発になる季節になりました。例年つつが虫病の発生が報告される時期になりました。昭和55年から平成26年までの秋田県のつつが虫病患者の月別届出数の累計をみると、5月が490件、6月が413件と、この2ヶ月に集中しています。昭和48年から平成26年までの発症患者さんの居住地区をみると、秋田県平均の約129人に対し、大館北秋地区は393人と県内トップです。感染要因別では、田畑(農作業等)485人、山林(山菜採り等)424人と約7割を占めています。
 症状としては頭痛、発熱から始まり、身体に発疹が出てきます。ここで大切なのは、治療しても熱が下がらないからといって、勝手に病院のハシゴをしないことです。通常使われる抗生物質で熱が下がらなくても、典型的な症状が時間と共に出てくるのが分かると、つつが虫病を見逃すことはありません。しかし、途中で紹介状を持たないで転院すると、今までの治療内容や経過が分からず、診断が遅れる事があるからです。
 つつが虫病は、刺されてから熱が出るまで(潜伏期)、約5~14日位の期間があります。症状が出てから治療しても間に合いますので、熱が出たり、刺し口に気が付いたら早めに医療機関で診てもらいましょう。
 予防法としては、山林や野山に出かけたときなどは、シャワーを浴びたり、入浴したりして身体を洗うのが最も効果的です。そのような意味でつつが虫はこわくないと言えます。注意しながらも恐れず野山に出て、外の良い空気を吸えるようにしましょう。

外来の掲示板につつが虫の刺し口の写真を貼ってありますので、是非ご覧下さい。

どうぞ つつがなく お過ごし下さい。

てんじゅ裏