奈良医院だより №346

                                                                           

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平成27年10月1日

(2015年)

健康で長生きするために

健康寿命を考える

               奈良 正人

高齢化社会が進み、65歳以上の人口が全国で25.2%、約4人に1人が高齢者という時代になりました。秋田県では30.7%と全国トップクラスの高齢者率になっています。誰でも健康で長生き出来ればいいのですが、高齢者になると健康上の理由で日常生活が制限されることが多くなります。制限されずに生活できる期間のことを「健康寿命」と言います。「健康寿命」と「平均寿命」の差は、健康に問題を抱え、日常生活に様々な制限が生じる不健康な期間に相当し、この期間が長くなることは個人および家族の生活の質が下がるとともに、医療費や介護給付費等社会保障費の増大にもつながります。平成22年日本の平均寿命は、女性が86.3歳で世界第1位、男性が79.55歳で第3位ですが、健康寿命は男女共に世界第1位です。国内では、秋田県は男性の平均寿命は第46位、女性第40位と下位にありますが、健康寿命でみると男性第23位、女性第18位と平均寿命に比べかなり上位に位置しています。「健康寿命」は、男性70.42歳、女性73.62歳でその差は、男性が9.13年、女性が12.68年でした。その差が最大だったのは、男性が大分県(10.3年)、女性が広島県(14.55年)。最小だったのは、共に秋田県で男性が7.79年、女性が10.61年と男女共に地域間格差が大きいことがわかります。結果から考えると秋田県人は全国的に見て寿命は短めかも知れませんが、元気でいる期間が長い事になり、高齢化社会にとって望ましい姿と言えると思います。健康寿命を長くするためには体を動かすことが大切で、秋田県人にとって除雪を始め、外での作業が役立っている可能性を指摘する研究者もいるほどです。人間は動物!正に動いているのが本来の姿なのです。
 脳卒中で寝たきりになることは良く知られていますが、筋力低下や骨折でも寝たきりになる例が増加しています。40歳を過ぎると年齢と共に筋肉が減ってくるのを理解し筋力低下予防をしないと健康寿命を短くしてしまいます。歩く事で筋力増加を図ろうとウオーキングすると、転倒の危険率が増えると言われています。まず、室内で筋肉トレーニングを始め健康寿命を伸ばす事を考えましょう。

てんじゅ裏