奈良医院だより №352

                                               

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奈 良 医 院

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平成28年4月1日

(2016年)

診療報酬改定について

4月1日から診療報酬の一部が改訂されます。厚労省の調査から投薬された薬剤が主治医の指示通り服用せず残っていたり、複数の医療機関を受診した際、お薬手帳を医師に見せなかったことで、同じような薬剤が複数の医療機関から処方されていたりして、薬剤が無駄になっている例があることがわかりました。結果的に、薬害や医療費高騰の原因にもなっていると判断され、今回の診療報酬改訂にも反映されております。また医療機関の役割分担も方向性が示されました。基本的にはかかりつけ医を持って、必要に応じて二次~三次医療機関に紹介してもらって精査、治療を行い、安定したらかかりつけ医に戻り、治療を継続しようという形です。そのため紹介状無しでいきなり病院を受診したり、安定しているのにかかりつけ医に戻るのを拒否したりすると自己負担が多くなってしまうこともあるようです。大都市と同じように考えることには無理があると思いますが、医療資源の乏しい当地では、開業医をかかりつけ医にし、病院での担当医と複数の主治医を持っているとの考え方で対応するのが良いと思います。複数の医療機関から発行された処方箋はなるべく同じ調剤薬局に提出し、対応していただくことをお薦めします。それは同様の薬剤が重複した時や、薬の飲み合わせに問題があったりした時には、処方箋を発行した医師に薬局から情報提供がなされ、患者さんの不利益にならいよう対応できるからです。
 国では、医療費削減や患者さんの自己負担を軽減する名目で、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用を勧めています。一流メーカーの後発品は良いのですが、後発品しか作っておらず、新薬開発などまったくしていないような後発メーカーの後発品は、安全度と効き目の面で安心できないものもあると思っています。対応していただいている調剤薬局には、安定供給や品質の面で心配の無い物をお願いしています。薬の種類によっては、処方箋に商品名でなく一般名で記載するように指示されているものもあります。シップ剤は一回の処方で原則70枚まで、とか睡眠薬や向精神薬は3種類を超えると、複数で使用する理由や患者さんの情報登録を記載するなど、医薬品の無駄や慎重を要する薬剤について、厚労省は目を光らせ、今まで以上に厳しく対応しようとしています。窓口での自己負担が多少変わる方もおられると思いますが、大きな差はなさそうな改訂の範囲です。何ヶ月も診察無しで投薬を受けることは、保険診療上出来なくなっておりますので、時々は受診して、変化に気付くのが遅れての後悔をしなくてもすむように して、天寿全うを目指しましょう。


てんじゅ裏