奈良医院だより №356

                                               

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奈 良 医 院

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平成28年8月1日

(2016年)

脱水症に注意

―暑い夏を乗り切るために-

奈良医院 奈良正人

梅雨も明け夏本番という季節になりました。毎年この季節には、熱中症での死亡事故がニュースになっています。暑くなると体温調節のため発汗で体温上昇を抑えているのですが、水分摂取が追いつかないと脱水状態になり汗もかかなくなります。そのため身体に熱がこもり、高い熱が出たり体調を崩したりします。この状態を熱中症と言い、改善できなければ命を落とすこともあります。特に高齢者や子どもは体温調節能力が低いため、危険率が高くなります。暑くて汗をかいた時は水分だけの補給では不十分で、塩分などのミネラルも補う必要があります。飲み物としてはスポーツドリンクがおすすめです。口渇感を自覚した時は脱水状態のサインと受け止め、早めに対処することです。  脱水気味になる前の対策こそ重要で、暑い時はスポーツや作業をしないことです。プールや入浴などでは汗をかいても自覚しにくい環境でもあり、特に注意が必要です。入浴前後には充分な水分摂取を心がけましょう。不整脈、高血圧、糖尿病、脂質異常症等、血管が詰まる病気(脳梗塞、心筋梗塞)の危険因子を持っている人は、特段の注意が必要です。脱水になると血液が濃縮され、血管が詰まりやすい状態に拍車がかかってしまうからです。クーラーやエアコンは身体に悪いとしてその使用を控えている高齢者をよく見かけますが、体温調節機能が低下している高齢者ほど多いに利用すべきです。また、子供を車の中に寝かせたまま、車を離れるということは、たとえ短時間であっても絶対してはなりません。日差しの強い時の車中の温度上昇は予想以上に早く高温になるのが知られています。ペットボトルやスプレー缶が破裂してしまう例も報告されているほどの車内環境になっている中に、人間だけでなくペット等も含め、生き物を置いていくことなど許されない事です。
 夏場は代謝が活発になり疲労も蓄積し易くなります。充分な栄養と休養をとるよう意識しましょう。また夏の外出はなるべく涼しい時間帯をねらい、日傘や帽子を使用し、充分な水分を摂取するなど安全を第一に考えましょう。屋内外でのスポーツや作業も同様に配慮しましょう。顔が赤くなり、ホテリ感があり、熱が出て頭がもうろうとしてきた時は急いで医療機関を受診しましょう。暑さを甘く見ないで快適にこの夏を乗り切りましょう。

てんじゅ裏