奈良医院だより №362

                                               

〒018-3322

秋田県北秋田市住吉町7-1

奈 良 医 院

TEL(0186)62-1146

FAX(0186)62-1194

http://digital-k.com/nara.htm

平成29年2月1日

(2017年)

肥満症とその対策について 

 奈良正人

肥満症とは、内臓脂肪の蓄積と11種類の関連疾患のいずれかがある病態で、その関連疾患はいずれも生命の危険を伴う病気です。関連疾患には、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、痛風や高尿酸血症、冠動脈疾患、心筋梗塞、脳梗塞、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群、運動器疾患(腰痛、膝痛等)、女性の場合月経異常や不妊などがあります。
 肥満があり内臓脂肪が溜まっていると、標準体重の人の3 .5倍も認知症になり易いという報告もあります。認知症以外でも内臓脂肪が糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞や癌にもなり易いと言われており、体重を減らすと内臓脂肪も減り、肥満に関連する病気が改善します。
 太る原因はちょっとした食べすぎや運動不足から、この“ちょっと”を無くしていく生活習慣でのちょっとした努力が健康増進には必要不可欠です。 

 内臓脂肪のつきやすい人の特徴
(1)満足するまで食べる。(2)炭水化物の重ね食いが多い(ラーメン+チャーハン+餃子等)。(3)野菜が少ない。(4)甘い飲み物やアイスクリームが好き。
(5)間食をする。(6)魚料理が少ない。(7)夕食が遅い。(8)アルコールが多い。(9)残り物をつい食べてしまう。(10)休日や旅行に行くと体重が増える。

 スローカロリーの薦め
食事の量だけでなく「質」に着目し、食べ方を工夫し生活習慣病予防に努めようと注目されている概念。スローカロリーを簡単に説明すると、野菜から食べるよう食事の順番を工夫し、ゆっくりよく噛んで食べれば消化吸収が遅くなり、血糖値の上昇が緩やかになり内臓脂肪がつきにくくなるということです。満腹感も持続するため、間食も自然に減らすことができます。当院の患者さんでも、野菜から食べるようにしただけで体重を減らすことができたと感謝された例もありました。特別に考えるより和食のような献立がお薦めです

 
体重測定の習慣化
太っている人ほど数字で見たくないという心理からか体重計に乗らない傾向にあるようです。逆に体重計に乗ることで太らないようにしなければという思いもでてきますし、減ってきているのが解るとさらに励みになり効果的です。リバウンド対策にも体重測定の習慣化が重要です。できれば毎日、少なくとも入浴時は測定しましょう。


てんじゅ裏