奈良医院だより №376

        

〒018-3322

秋田県北秋田市住吉町7-1

奈 良 医 院

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平成30年4月1日

(2018年)

  

診療報酬改定について

奈 良 正 人

4月1日診療報酬改定が医療保険と介護保険と同時に行われた。
 診療報酬改定の概要は外来医療の機能分化、かかりつけ医の機能の評価。チーム医療の推進。感染症対策や薬剤耐性対策。後発医薬品の使用促進。医薬品、検査等の適正な評価などが挙げられる。基本的には大きな差はないが、特に推進しているのが、在宅医療と後発医薬品の使用促進である。往診については家族の求めによって医学的に必要と認められた時に行うとしていたのが、家族以外でも、例えば訪問看護師からの要請によっても往診ができることが明文化された。計画的に予定を立てて在宅へ訪問するのは、往診ではなく訪問診療という位置づけになり、訪問看護を始め多職種連携で在宅医療を支え、今まで以上に推進しようとの方向性を打ち出していた。
 後発医薬品いわゆるジェネリック医薬品の使用促進については、薬剤の安定供給や調剤薬局との連携からも、可能な限り一般名での処方箋発行を推し進め、かかりつけ薬局の管理薬剤師と患者さんで、薬剤選択から管理まで連携しながら対応することを推進していた。当院では、かなり前から定期的に調剤薬局と連携会議を開催し、患者さんのために密なる情報交換をするなど、医薬連携に取り組んでいる。
 向精神薬や睡眠薬の適正使用について、精神神経科や心療内科等専門医は別にして、一般の臨床医が医学的に適切な処方がなされているかと言われると返事に困ることがある。睡眠薬にしても多種多様であり、私自身不眠症のタイプによって使い分けるのが難しいと感じている。向精神薬や睡眠薬を服用している患者さんで、運転中注意が散漫になって交通事故を起こしたり、夜中にトイレに行き、ふらつきから転倒し骨折したりする例も報告されている。また睡眠薬によっては依存性や習慣性が問題になっており、特にベンゾジアゼピン系の薬剤(エチゾラム、ハルシオン、レンドルミン、サイレース、ソメリン等)では同じ薬剤を同じ量でだらだらと長く処方していると医師にペナルティーが課せられる改定になっている。不眠症で睡眠薬を長く服用すべき症例では、精神神経科か心療内科を受診し、専門家から自分にあった薬剤処方をしていただくのがベストと思います。
 診療報酬改定に伴い4月から窓口での支払いが変わることがあります。詳しくは診療内容証明書や 領収書でお確かめ下さい。

 
  

てんじゅ裏