奈良医院だより №378

        

〒018-3322

秋田県北秋田市住吉町7-1

奈 良 医 院

TEL(0186)62-1146

FAX(0186)62-1194

http://digital-k.com/nara.htm

平成30年6月1日

(2018年)

                       つつが虫病に注意          奈良正人

去る5月26日、秋田県初のつつが虫病発症の報告が入ってきました。つつが虫病は初夏から晩秋にかけて、重篤な患者が発生する恐れがある警戒すべき病気の一つです。
 昭和48年から平成29年までのつつが虫病患者の発生月別では5月~6月がほとんどで、田畑、山林での感染が多いとの報告がなされています。居住地域別では大館、北秋田が全県の約3分の1で最も多いと報告されています。
 ツツガムシは非常に小さなダニの一種で、つつが虫病の病原体を持つツツガムシに刺され、人の体内に病原体が入り込んだときに発病します。最初の症状は39℃~40℃の高熱、全身倦怠感、食欲不振、頭痛、寒気等でひどい風邪とよく似ています。人から人にうつることはありませんし、早めに適切な治療を受けると簡単に治ってしまいます。しかし治療が遅れると死亡することもあります。ツツガムシが体に取り付いても吸着開始から感染するまでには6~10時間位かかるため、この時間を利用した対策が有効です。野外活動の際はできるだけ素肌を出さないこと、帰宅後早めのシャワーや入念に体を洗い流すことと、着替えをすることが予防につながります。
 つつが虫病は、刺されてから熱が出るまで(潜伏期)、約5~14日位の期間があります。症状が出てから治療しても間に合いますので、熱が出たり、刺し口に気が付いたら早めに医療機関で診てもらいましょう。運悪くつつが虫病にかかっても、風邪よりも早く確実に治すことができる時代です。注意しながらも恐れず、野外活動を楽しみましょう。身体を動かすことによりストレスを解消し、生活習慣病にも好影響を与えるとすれば、年齢を問わず野外活動は運動不足でストレスの多い時代に最も必要なのかもしれません。

           どうぞ つつがなく お過ごし下さい。

てんじゅ裏