奈良医院だより №389

        

〒018-3322

秋田県北秋田市住吉町7-1

奈 良 医 院

TEL(0186)62-1146

FAX(0186)62-1194

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平成31年5月1日

(2019年)

奈 良 正 人

「令和」元年によせて   

 昭和22年生まれの私にとって、昭和時代は戦後の復興から発展、更に高度経済成長を実感したものでした。昭和47年に医学部を卒業し医師免許を取得した頃は、MRIは勿論CTも無い時代でした。超音波(エコー)も現在のような立体的な画像ではなくMモードと言われる平面的な映像しか写し出せない物でした。その後CT検査が出来るようになると、脳卒中の診断が飛躍的に伸び、脳梗塞なのか、脳出血なのかが短時間で判別でき、早期に治療開始することが可能になりました。各分野の薬剤の開発も進み、ワクチンの開発も目覚ましく、検診・人間ドックによる病気の早期発見・治療ガイドライン作成から、生活習慣改善やワクチンによる予防まで医学の進歩を目の当たりにした時代でした。
 平成時代は、大規模災害が多発したという印象が残りました。地震、津波、豪雨災害、土砂崩れ、雪崩、火山噴火など地球も年を取ってきたと思われるほどでした。特に3・11の東日本大震災では、前例のない程の規模の大きい災害で、悲惨な物でした。日本医師会災害医療チーム(JMAT)に奈良医院として私と看護職員2名、運転手を兼ねた臨時事務職員1名と共に参加しました。災害発生1か月と2か月後の2回、平日を臨時休業にして釜石市に行ってきました。避難所2か所と訪問診療2件を担当し、2か月経っても水道やガスの復旧がまだで、被災した方々の心身の痛手の大きさに対峙し、医療活動の奥深さの一部に触れることができた思いは一生忘れることが出来ないほど強烈なものになりました。
 令和を迎え奈良医院として地域のために何をすべきかと考えた時、医療資源が少なく高齢化の進んでいる当地域において、多職種連携クリニックを作ろうと考えました。当院では現在、蒔苗隆先生の応援を得てペースメーカークリニックも出来るようになりましたが、これを更に拡大し、入院室は無い外来だけですが、医科・歯科連携クリニックで、非常勤を含め複数の科の医師を2~4名、歯科医師を2~3名で連携しながら診療が出来るようにしたいと考えております。数少ない科のドクターにも週数回の専門外来をお願いする予定です。医師、歯科医師を含めベテランスタッフにおいて常勤での仕事は無理でも週何回か、可能な範囲で勤務し長く仕事が出来るようにするのが、患者さんにとっても良いと考えたからです。現在最終設計段階に入っており、遅くとも令和2年度中にはオープンする予定です。地域の方々からのご意見ご要望をお聞かせいただければ幸いです。

てんじゅ裏