奈良医院だより №392

        

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奈 良 医 院

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令和元年8月1日

(2019年)

奈 良 正 人

帯状疱疹(たいじょうほうしん)について

 痛みと疱疹が帯状にあらわれる病気で水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルスによって発症します。身体の左右どちらか一方にピリピリとした痛みがあり、その後に赤い発疹~水ぶくれが帯状にあらわれる病気で、その状況から帯状疱疹という病名がつけられました。この地域では「つづらご」と呼ばれ疱疹が身体を一回りすれば命にかかわると言い伝えられていましたが、一回りすることはありません。初めてこのウイルスに感染した時は水ぼうそう(水痘)として発症します。水痘が治癒した後も、ウイルスは体内の神経節に潜んでいます。この時期は潜伏期と呼ばれ、無症状ですが、ウイルスに対する免疫力が低下した時、潜んでいたウイルスが再活動し始め、神経を伝わって皮膚に到達し、帯状疱疹として発症します。免疫力低下は加齢、ストレス、過労等体力が低下した時に起こってきます。50~70歳代に多く見られますが、ストレスや過労が引き金となり若い年齢層でも発症することも珍しくありません。
 帯状疱疹が他人にうつる事はありませんが、水ぼうそうにかかったことがなく、水痘ワクチン未接種の乳幼児には水ぼうそうを発症させる可能性もあるため、小さな子供との接触は控えましょう。現在水ぼうそうワクチンの定期接種は1歳~3歳未満で2回接種になっておりますが、高齢者の水ぼうそう経験者の帯状疱疹予防に水ぼうそうワクチン接種も有効と言われています。ワクチン接種済みでも、水ぼうそうや帯状疱疹発症例が見られ、100%発症予防に至っていないのが現状です。しかし、重症化は予防できますので無意味では無いと考えられており、予防接種が推奨されています。
 帯状疱疹を発症した時は早めに抗ウイルス薬を服用しましょう。抗ウイルス薬はウイルスを死滅させるものでは無く、増殖を抑える薬ですので、できるだけ早期に服用開始するほど、効果が期待できます。後々神経痛が残り長期に苦労する例もあります、後遺症を残さないためにも少しでも疑われたら早めの受診をおすすめします。
 予防接種料金は定期接種の乳幼児では全額公費補助で自己負担ゼロですが、大人での帯状疱疹予防においては全額自己負担、税込み8,780円で対応しております。事前予約が必要になりますので、ご希望の方は窓口でお申し込み下さい。


てんじゅ裏