奈良医院だより №395

        

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奈 良 医 院

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令和元年11月1日

(2019年)

奈 良 正 人

インフルエンザの季節になりました

 寒さも一段と厳しくなってきました。今年はインフルエンザの流行が早いように感じております。秋田県では先月初旬から、北秋田市でも中旬頃にはインフルエンザの発症が見られております。インフルエンザは風邪に似たような症状ですが、発熱、頭痛、関節痛や筋肉痛等の全身症状が急速に現れるという特徴があります。抵抗力の弱い高齢者や幼児、妊婦さん、持病のある人等では重症化しやすく、注意が必要です。
 インフルエンザは感染力が強く、単なる風邪と自己判断して登校や出勤していると、感染を広げてしまいますので、疑わしい時は、医療機関を受診することが大切です。また、インフルエンザでは、意識障害や異常行動が現れる場合もあります。特に小学生以上の未成年の男子に多いと報告されています。発熱から2日間位に多く、興奮して突然走りだしたり、窓から飛び降りようとしたり、突然変な事を言い出したり、泣き出したりするなどがあります。異常行動による事故予防のために、玄関や窓の施錠をしっかりして、高熱が続いている2日間位は一人にしないなど注意が必要です。
 インフルエンザの感染予防には、予防接種と感染経路を理解し、体内にウイルスが入るのを防いだり、入っても抵抗できるように免疫能力を高めておいたりしておくことが大切です。感染経路は飛沫感染と接触感染の2つです。飛沫感染は感染者の咳やくしゃみなどで飛び散ったウイルスを鼻や口から吸い込むことで感染します。マスクが効果を発揮します。接触感染は感染者が咳やくしゃみを押さえた手で、ドアノブや手すり等に触れてウイルスが付着。そこに触ってウイルスが付着した手で鼻や口に触ることにより感染します。手洗いとこの季節、鼻や口に手で触らないのが予防につながります。またワクチン接種で抗体価があがるまでは2週間ほどかかりますので、早めに予防接種を受けましょう。また高齢者ではインフルエンザに肺炎を併発すると死亡の危険率が高率に上がります。肺炎球菌ワクチンの同時接種も可能ですので、肺炎球菌ワクチン未接種者や接種後5年以上経過した方は是非ご検討下さい。特に北秋田市民に対しては初回接種だけでなく、2回目も3回目以降も公費補助が適用される、全国唯一の地域です。
 インフルエンザにかかったら、まず休むことです。充分な休養、栄養、水分を摂りましょう。職場や学校への復帰の目安は、発病後5日経って、かつ、熱や症状が治まって2日以上経ってから。他の人にうつさないようにマスクを使用し、飛沫感染に配慮しましょう。家庭内でも重症化リスクの高い人は看病するのをやめて、感染者との接触をしないように心掛けましょう。


てんじゅ裏