奈良医院だより №432

       

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奈 良 医 院

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令和4年12月1日

(2022年)   

冬を安全に乗り切るために

                         

 寒くなると血圧が上がりやすくなり、心臓の負担も増えやすくなります。暖房や衣類調整に気を使いましょう。特に早朝寒い所へ起きてくるのを避けるよう、連続暖房や暖房設備のタイマー等の有効利用を心がけましょう、暖かい方が良いとして入浴温度を高くすると、脱衣室、浴室、浴槽内の温度差から、ヒートショックと言われる危険な状態が引き起こされることがあります。脱衣室、浴室の温度を寒くない程度に暖房し、風呂の温度を低めにすると、温度差が少なく、安全に入浴することができます。入浴では、石鹸を使い過ぎず、皮膚を強くこするのは避けましょう。表皮の脂肪分を取りすぎたり、傷めたりすると皮膚が乾燥し、抵抗力が落ち、皮脂欠乏症や皮膚搔痒症を引き起こします。
 冬道は転倒の危険性が高まります。ゴミ出し程度の近場でも、しっかりした滑りにくい靴を履き、歩幅は肩幅程度をめどに左右を広めにし、前後は狭めの歩行で、転ばないように気を付けましょう。転ばぬ先の杖と言われますが、杖にもアイスピックを装着し安全に歩行できるよう心がけましょう。万が一転んだ時のためにも、外出時は両手をポケットから出し、荷物も手に持たないで、リュックサックやショルダーバッグ等を使用し両手を空けておきましょう。特に交差点付近や駐車場ではアイスバーンになっている場合があることを意識し、横断歩道の移動、車の乗り降り時は細心の注意をはらいましょう。また、冬期間の散歩は日中の気温が比較的安定した時間を選び、充分に着込んで、早朝の寒い時間帯を避けるようにしましょう。吹雪などの時は、お休みしましょう。医療機関への定期受診も、お薬がまだ残っている状態でも構いませんので、お天気と相談しながらはやめの受診を心がけましょう。
 暖房により乾燥してくると身体が痒くなったりします。鼻、喉、気管等の粘膜は湿っている状態が抵抗力を高めますが、乾燥してくると抵抗力が落ち風邪をひきやすくなります。室内の湿度にも気を使い、こまめに水分を摂ったり、うがいしたりして乾燥を防ぎましょう。更にインフルエンザワクチン、新型コロナワクチン、肺炎球菌ワクチン等の予防接種で感染予防や重症化を防ぐよう心がけましょう。
 寒くなると外出の機会が減る人が多く運動不足が心配されます。糖尿病のコントロール不良も冬場に多く見られるように思います。雪かきを多くしている人はかえって血糖のコントロールが良くなっているケースもあります。除雪作業は大変ですが、運動療法と考えてしていると、除雪の辛さが多少緩和されると思います。また、子供や、孫と一緒にスキー場に行き、スキー、ボード、ソリなどの運動も冬を楽しく乗り切るためにもお勧めです。年末年始、食べ過ぎ、飲み過ぎが心配されるシーズンです。コロナ禍で忘年会、新年会も控えめになることが予想されますが、逆に家飲みが増えることも心配されます。食べ過ぎ、飲み過ぎに注意し、寒い冬をおっくうがらずに、楽しい年末年始にしましょう。
 今年もあとわずか、年内にやっておきたいことに向かって行動を起こし、スッキリした気持ちで新年を迎えましょう。健康に留意し、どうぞ良い年をお迎え下さい。 
                     てんじゅ裏