奈良医院だより №434

       

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奈 良 医 院

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令和5年2月1日

(2023年)   

質の良い睡眠のために

       

 最近、睡眠に対する満足度が少なくなっている方が増えてきているように思います。日本全体でも約20%近くの方が睡眠について悩んでいるとの報告もあります。
 睡眠は深部体温に影響を受けると言われておりますが、深部体温は体内時計に従って日中に上昇し、夜から明け方に下降すると言われております。下降する時の温度勾配が急なほど睡眠が深くなる事がわかっています。日中体を動かして深部体温を上げておくことが重要ですが、加齢と共に日中の活動量が減ったり、コロナ禍で活動量が減ったりして、睡眠の質が低下している方もいると思われます。
 体内時計をしっかり動かすためには、朝同じ時間に起きて光を浴びることが大切です。また、夜は体内リズムに従って、緊張感に関係する交感神経が抑えられ、リラックス効果のある副交感神経が亢進してきます。その結果リラックスして眠れるようになるのですが、アルコールやタバコ、カフェイン、更にブルーライトの影響が交感神経を刺激する事もわかってきています。そのためアルコールやコーヒー、お茶等はなるべく早めにとり、夕食後まで持ち越さないようにしましょう。また、ブルーライトですが、LEDの青色光が交感神経を刺激するだけでなく、少ない光量でも睡眠ホルモンといわれるメラトニンの分泌を低下させ、睡眠の妨げになってしまいます。そのため、スマホやパソコン、テレビについて、夜遅くまで見ていないようにしましょう。深部体温を考えると入浴温度や時間も影響します。お風呂に入って深部体温を上げる事も効果的です。熱過ぎると、交感神経を刺激してしまいますので、40℃を超えない程度のぬるめに15分位湯船につかると、深部体温が上昇し、その1~2時間後から下降し始めます。一度上がった分急激に下がるので睡眠には効果的です。入浴直後は深部体温が高いままで、睡眠の妨げになりますので、入浴は睡眠の2~3時間前までがお勧めです。また頭を冷やした方が有利ですので、夏場は水枕やアイスノンの使用、冬場は寝室の暖房を足の方から来るように工夫しましょう。どうしても眠れない時は睡眠薬等も良いのですが、依存性、習慣性、中毒性のある物も少なくなく、高齢者では、薬剤の筋弛緩作用による、夜間の転倒、骨折の問題もあり、安易にお勧めできない状況です。それでも眠れなくて困った時は、精神神経科や神経内科等専門家にご相談下さい。 おやすみなさい!


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