奈良医院だより №436

       

〒018-3325

秋田県北秋田市元町11番15-3

奈 良 医 院

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令和5年4月1日

(2023年)   

定期検査の重要性

  当院では、慢性疾患、特に高血圧症、糖尿病、高コレステロール血症等で通院している患者さんに対し、症例により毎月~半年毎の定期検査を実施しております。これにより、治療薬剤の効果、副作用の有無、合併症の有無をチェックして継続治療に役立てております。定期検査により他の疾患の早期発見に役立つこともあり意義深いものととらえております。定期検査では前のデーターと比較して見られるため、同じ異常値でも前よりは良いとか、治療効果が薄れてきているとかがわかり、継続治療の参考になります。
 週刊誌で医者から処方された薬で危険な副作用が出るから服用しない方が良いとの記事がありましたが、処方するドクターも薬剤師さんも理解した上で処方し、副作用が出ていないかを調べながら、継続処方しているのです。週刊誌レベルでは10000人に1人の副作用も100人に1人の確率で出る可能性のある副作用も同じ様に報じており、それを信じて治療を中断し亡くなった症例も出ており、確かな医学情報をかかりつけ医や、かかりつけ薬剤師さんから得て自身の健康寿命に反映させましょう。
 定期検査の結果から、新たな病気の発見の糸口になった例がありました。定期検査でいままでに無かった貧血が見つかりその原因が消化管からの出血と判明し、消化器科に紹介し、早期胃がんや大腸がんが見つかり治療して事なきを得た症例。糖尿病の治療継続中、突然血糖やHbA1Cの数値が上昇し、すい臓の病変を疑い精査を依頼した症例がありました。結果的にはすい臓がんが発見され手術になりました。すい臓がんは中々早期発見が難しく、見つかった時には手遅れの事が多い病気ですが、今回の症例は、早期発見、早期治療につながり、定期検査の重要性を見せられた良い例の一つとなっております。また高血圧治療中の症例の定期検査で心房細動が見つかり、心原性脳梗塞予防のため抗凝固療法を開始し今も元気にしている方とかが沢山いらっしゃいます。
 治療中の定期検査だけでなく、職場健診、特定健診、人間ドック等の検査結果も、判定結果だけでなく数値も、比較して判断した方が良いので、検査結果が届いたらかかりつけ医に持参して参考にしてもらいましょう。胃カメラ、大腸カメラ、超音波検査についても、以前検査したところで受けると前の所見と比較して判断してもらえるので、検査医療機関を変えない方が有利です。検査を受ける事は大事ですが、その結果をいかに生かすかが最も大切です。検査データーはあなた自身の財産の一つです。大事に取り扱い、最大限有効活用し、健康寿命を延ばすのに役立てましょう。
  
                     てんじゅ裏