奈良医院だより №446

       

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奈 良 医 院

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令和6年2月1日

  (2024年)     

糖尿病早期発見と治療の重要性  

 近年、電化製品の普及や自家用車の保有率上昇に伴い、運動不足が顕著になってきております。食料が自由に手に入らなかった戦中戦後に比べるとカロリー摂取量が多くなってきております。結果的に、肥満や糖尿病の人が増えております。糖尿病は体質的な遺伝が関与しておりますが、食料事情が悪かった時代には過食や運動不足がなく、糖尿病になり易い遺伝子を持っていても発症しなかったケースがほとんどだったと思います。現代社会では、運動不足に食べ過ぎ、飲み過ぎが加わると糖尿病の発症リスクが高くなります。欧米での研究報告によると、糖尿病と診断された場合、その診断年齢により糖尿病でない人と比べて、死亡リスクが高くなると報告されております。30歳で診断されていた場合は13~14年、40歳で診断された場合は9~10年、50歳で診断された場合は5~6年、それぞれ短縮されると計算された。性別では、女性は糖尿病と診断された場合の余命が、男性よりも短縮するという結果が示された。糖尿病発症後に血糖コントロール不良や血圧が高い状態が続いていると、心臓発作や脳卒中、腎臓病、癌などの合併症の発症、および、それらによる死亡のリスクが増大すると報告されており、今回の研究でも糖尿病患者の余命短縮も、多くはそれらの合併症が原因であったとのことであった。従来から言われているように、発症年齢が若ければ若いほど、合併症の負担が大きくなることから、健診や人間ドック等で糖尿病の早期発見と、その後の血糖コントロールによって、糖尿病による疾病負担を抑制し、余命に影響しないようにすることができる可能性をしっかり探っていくことが大切になると思います。身内に糖尿病がいる場合は早めにチェックし疑いがあれば、早期に精査加療をすすめることで、危険率を減らすことができます。また、健診や人間ドックで糖尿病の疑いがあることを指摘されたら放置せず、糖尿病境界型の時点から、食事・運動療法に取り組み、必要に応じて薬物療法を開始し、血糖コントロールをしっかりしていきましょう。糖尿病と共に他の動脈硬化の危険因子である、血圧、コレステロール、中性脂肪、尿酸、更に肥満、喫煙、運動不足等にも注意し「てんじゅ」全うを目指しましょう。


                     てんじゅ裏