奈良医院だより  bQ93  

                                                

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奈 良 医 院

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平成23年5月1日

(2011年)

秋田県災害医療救護チームでの活動報告

奈 良 正 人

 

秋田県は東日本大震災発生の3月11日から16日までDMAT(災害派遣医療救援チーム)を派遣し急性期の災害医療を行った。秋田県医師会は3月18日から慢性期の災害医療を行うため「秋田県災害医療救護チーム」の編成と派遣を行うことを決め、岩手県釜石市で避難所の巡回診療を開始した。救護活動は県内各病院のチームで繋ぎ、3月末からは医師会員のチームも加わって毎日行われた。4月12日には避難所の一つである釜石市市民交流センター体育館に救護所が設置され、救護活動の拠点となった。

JMAT(日本医師会チーム)として私と看護師2名、運転手としてお願いした長谷川正一氏と4名を奈良医院チームとして登録。4月20日(水)午後4時に奈良医院を出発し、北上市に前泊。食事をしながら打ち合わせ会議を行い、21日(木)朝7時10分北上市出発。釜石市に近づくにつれ支援派遣の自衛隊車輌が多く見られ、道路もウエーブし、ほこりっぽく感じられるようになった。車を通すため道路は片付けられていたが、周りはガレキの山で災害の影響が残されたままだった。市民交流センター体育館で秋田組合病院DMATチームと合流し打ち合わせの後、秋田県派遣県職員佐藤氏と松原地区コミュニティーセンターとエヴォホールみうらの避難所二ケ所の巡回診療に出発。診察というより健康相談でサポートしようと思い、白衣を脱ぎ作業服で活動。巡回診療では往診2件3名を含み、延べ23ケース21人。市民交流センター体育館の救護所で1名、合計22名の患者さんを診察。薬剤対応もできるようになっており処方箋も発行。お話を聞いてあげ、血圧を測るだけでも行って良かったと思った。交流センターでは電気は復旧していたが水道の回復は未だで、仮設トイレの使用や手洗いは避難者のことを考え極力遠慮した。子供達はその日から新学期ということで午後になってから避難所で会ったが元気がなく、パワーを少しでも置いてこようと、趣味のマジックを披露してきた。避難所三ケ所とも雑魚寝状態でプライバシーも守られない環境の中250人位が長期滞在しており、仮設住宅への移動が急務と思われた。出来る限りの支援を継続し、機会があればまた現地に来たいとの思いを強く感じながら、釜石を午後6時15分に出発し11時少し前に帰宅した。短くも充実した1日だった。

最後に、製薬会社、卸業者や医師会員の方々からお預かりしたダンボール10箱ほどの支援物資を届けられたこと。多くの皆様のご理解とご協力で支援救護活動に参加できたことに感謝し報告とする。ありがとうございました。

てんじゅ裏