奈良医院だより №386

        

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奈 良 医 院

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平成31年2月1日

(2019年)

奈 良 正 人

ヒートショックとは

急激な温度変化により身体が受ける影響のことです

 入浴中亡くなるのは全国で年間約1万4000人と推定されていますが、この数は交通事故死亡者の約2倍の人数で、原因の多くはヒートショックである可能性があります。
 日本のほとんどの住宅では浴室とトイレが北側にあることが多く、暖房設備が無い場合は居間と比べると約6℃~10℃の温度差があります。ヒートショックは温度変化によって血圧が急激に上昇したり下降したり、脈拍が早くなったりして心臓や血管に大きな負担をかけ、結果的に心筋梗塞や脳卒中の発症につながることで注意喚起がなされています。
 冬場の入浴では、暖かい居間から寒い浴室へ移動するため、熱を奪われまいとして血管が縮み、血圧が上昇します。お湯につかると血管が広がって急に血圧が下がり、血圧が何回も変動することになります。寒いトイレでも似たような現象が起こりえます。ヒートショックが最も起きやすいのは冬場のトイレや浴室と言われています。浴室での事故死の70%は脳卒中や心筋梗塞など循環器系障害によるもので、入浴中に亡くなる高齢者の方は年間1万人以上と推定されています。また浴室での事故死は12月~2月の厳冬期に集中していることも特徴的です。
 ヒートショック予防のため、入浴は40℃未満のぬるめのお湯に入り、長湯を避けましょう。冷え込む深夜ではなく、早めの時間に入浴するようにしましょう。心臓病や高血圧の方には半身浴をおすすめします。肩が寒い時は、お湯で温めたタオルをかけましょう。
 家庭の中の少しの工夫で、大切な家族を「ヒートショック」から守りましょう。

厳冬期の浴室、トイレを安全にかつ快適にする工夫

◆脱衣所、浴室、トイレに暖房を入れ暖める。

◆浴室の床にスノコやバスマットを敷いておく。

◆シャワーでお湯をためることによって、浴室全体を暖めておく。

◆すでに浴槽にお湯がたまっている場合は、入浴前にふたを開けておく。

◆トイレには暖房便座を設置する。


てんじゅ裏