奈良医院だより №442

       

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奈 良 医 院

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令和5年10月1日

(2023年)   
 

   帯状疱疹について

            

 痛みと発疹が帯状に出る病気で水痘・帯状疱疹ウイルスによって発症します。初めてこのウイルスに感染した時は水痘(水ぼうそう)として発症します。水痘が治癒した後も、ウイルスは体内の神経節に潜んでいます。この時期は潜伏期と呼ばれ無症状ですが、ウイルスに対する免疫力が低下した時、潜んでいたウイルスが再活動し始め、神経を伝わって皮膚に到達し、帯状疱疹として発症します。免疫力低下は加齢、ストレス、過労等体力が低下した時に起こってきます。また糖尿病や癌などの免疫力が低下する病気が原因になることもあります。50歳以上では痛みが3ヶ月以上続く、帯状疱疹後神経痛が2割位に残る事が報告されています。また、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹にり患すると言われています。帯状疱疹が他人にうつる事はほとんどありませんが、水痘にかかった事が無く、水痘ワクチン未接種の乳幼児には水ぼうそうを発症させる可能性もあるため、小さな子供との接触は控えましょう。現在水痘ワクチンの定期接種は1歳~3歳未満で2回接種になっております。対象年齢に達したら忘れずに接種しましょう。
 帯状疱疹にならないためには、日頃から体調管理を心がけ、免疫力が低下しないようにすることが大切です。50歳以上では帯状疱疹ワクチンの接種が可能です。ワクチン接種は2ヶ月の間隔で2回接種が必要ですが、北秋田市では本年4月から1回につき10,000円の公費補助が実施されており、自己負担12,000円で接種できます。予約が必要ですのでご希望の方は、窓口でご相談下さい。過去に帯状疱疹になったことがある人でも、身体の免疫力が低下すると、再びなる可能性がありますので、予防接種はおすすめです。
 帯状疱疹を発症した時は早めに抗ウイルス薬を服用しましょう。抗ウイルス薬はウイルスを死滅させるものではなく、増殖を抑える薬ですので、出来るだけ早くに服用開始するほど、効果が期待できます。皮膚病変に関しては、皮膚を保護したり、皮膚の再生をうながしたり、細菌による二次感染を防ぐため外用薬(塗り薬)が使われます。入浴は可能ですが皮膚病変部をこすらないように注意してお風呂に入りましょう。また、痛みの本体は神経痛ですが、痛みを残さないためにも、痛みに対する治療も重要です。主に消炎鎮痛剤や神経障害性疼痛治療薬が使用されますが、のちのち神経痛が残り長期に苦労する症例もあります。後遺症を残さないためにも少しでも疑われたら早目の受診をお勧めします。


                     てんじゅ裏