●急性心筋梗塞における危険因子の性差●

薬剤師だより

女性でより大きい喫煙の重み

熊本大学大学院の河野宏明助教授ら「日本における急性冠症候群に対する共同研究」グループは、日本人における急性心筋梗塞の危険因子を検討している。今回、日本人では危険因子の重み付けが欧米と異なること、さらに明らかな性差があることが認められたと発表した。

同研究会では、参加20施設において2002年の一年間に発症した急性心筋梗塞初発連続症例1,925例(男性1,353例、女性572例、平均年齢67.7歳)を対象に、年齢・性をマッチさせた2,279例をコントロール群とした症例対照研究を行った。その結果、有意な危険因子として検出されたのは、高血圧が最も強力で、次いで糖尿病、喫煙、家族歴などがあった。

心筋梗塞の発症率は男性で圧倒的に高いが、危険因子にも性差が見られるかどうかを検討した。その結果、男性では高血圧が最も強力な危険因子であり、次いで喫煙、糖尿病、家族歴、高コレステロール血症の順であった。一方、女性は喫煙が非常に強力であり、次いで糖尿病、高血圧、家族歴の順となり、危険因子の重みにも性差が認められた。

循環器疾患による死亡率を比較すると、男性では現在の喫煙者の死亡率は非喫煙者の1.5倍であったが、女性では過去の喫煙者でも約2.5倍、現在の喫煙者では3倍近くまで上昇し、女性は喫煙による悪影響を受けやすいことが示唆される。

(メディカルトリビューン)

《「生活習慣病」の予防と改善に

効果がある機能性成分 その15》

ナットウキナーゼ

大豆が発酵して納豆になる際に、納豆菌が作り出す成分がナットウキナーゼです。納豆のねばねばの中に多く含まれます。制がん作用や強壮効果があるほか、血管中の血栓を直接溶かす作用があり、血液をサラサラの状態に保ちます。そのため心筋梗塞や脳いっ血の予防が期待できます。

     ナットウキナーゼが含まれる主な食品

納豆

     効果が期待できる疾病

心筋梗塞、脳いっ血

 

 

 

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     ジェネリック(後発医薬品)●

先発医薬品とは、最初に開発され発売されたお薬で、長い間数多くの患者さんに使われてきたお薬です。

ジェネリック(後発医薬品)とは、先発医薬品と「同一の有効成分」を「同一量含む」、「同一剤形」の製剤で用法用量も「等しい」医薬品です。どのような種類の医薬品が発売されているかというと、先発医薬品の特許期間満了後(20年+α)に承認されたものが発売されています。

ジェネリック(後発医薬品)が低薬価なのは、先発医薬品のノウハウを利用して生産されるため製造開発コストが少なく、承認審査も簡素化されているからです。それにより患者さんの負担、医療費抑制が期待されています。

Q:今飲んでいる薬全部、後発品として発売されていますか?

A:特許期間満了した薬が承認されるので、最近発売となったような新しい薬の後発品はまだありません。

Q:先発品の後発品は有効成分から添加物まですべて同じ薬ですか?

A:後発品は先発品と有効成分が同一であり、用法用量が同一であるものをいいますが、先発品と同じ添加物が使用されていない場合もあります。   《昭和堂薬局》

日焼けサロン

     18歳未満に皮膚がん増える●

世界保健機構(WHO)は、日焼けサロンなどで使われている紫外線ランプで人工的に日焼けの状態を作ると、皮膚がんになる危険が高まるとして、特に18歳未満の若者は日焼けサロンなどの利用を絶対に避けるよう勧告した。

WHOによると、世界中に年間132000人が皮膚がんの一種である悪性黒色腫にかかり、66000人が皮膚がんで死亡していると推測される。悪性黒色腫の発生率はノルウェーやスウェーデンでは過去45年間で3倍以上、米国では過去30年間で倍以上になっており、WHOは日焼けサロンの利用増加が発生率急増の主因とみている。

WHOによると、日焼けマシンの規格や日焼けサロンの利用に関する規制を定めているにはごく一部の国に限られる。フランスと米カリフォルニア州では18歳未満に日焼けサロン利用を禁じており、WHOは各国が同様の規制を導入し、日焼けサロンを利用する際には必ず専門家が立ち会うようにすべきだと訴えている。

 

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